Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
田中 忠夫; 山下 祐司*; 足立 泰久*
no journal, ,
代表的な天然有機物の1つであるフミン酸は、土壌・地下水中において重金属イオンや疎水性有機汚染物質と会合して環境中を移動することにより、放射性核種を含む有害化学種等の輸送担体となり得る。フミン酸は、環境の化学的条件の変化により、溶存態,懸濁態とその存在形態を大きく変える性質も有し、その結果としてフミン酸の移動特性も化学的因子により変化することになる。特に、フミン酸のコロイドとしての振るまいが核種移行現象との関連から着目されている。本研究では、ガラスビーズを充てんしたカラムへのフミン酸溶液の透過実験を実施し、フミン酸の移動特性をコロイド安定性の観点から考察した。フミン酸の破過曲線を共存するイオンの種類(NaイオンとCaイオン)及びイオン濃度をパラメータとして取得した。ガラスビーズに対するフミン酸の沈着速度は、イオン強度が高くなるにしたがって、また共存イオンのイオン価数が大きいほど強く働く傾向となった。コロイドの透過実験の解析に用いられる衝突係数と塩濃度の直線関係を本実験についても適用した結果、直線関係を示す緩速沈着領域,衝突係数が塩濃度によらず一定となるとなる急速沈着領域及びその閾値である臨界沈着濃度が明瞭に解析された。このことは、フミン酸の移動特性が定性的にコロイド安定性理論に従うことを示す結果である。